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「心は熱く、理論はクールに」

 最近の週末はちょっと活動的になってきて、バンドで演奏を楽しむことが多くなってきた。楽器演奏は子供の頃からやっていて、ピアノ、ホルン、クラリネットと転々と渡り歩いてきたんだけど、どれもしっくりこなくてつまらなくて辞めてしまったんだけど、大学に入ったときにボンゴやコンガといったラテン系の打楽器が演奏できるサークルに出会って、感情のおもむくままにバシバシと叩けるのがなんだかとても面白くて、それ以来10年ぐらい打楽器を続けている。打楽器に巡り合うまでに時間はだいぶかかったけど、最終的に自分に適性のあった楽器に出会えて本当によかった。
 それでも大学を卒業してからは仕事も忙しくなって、しばらく演奏する機会もなく友達に会うことさえも少なくなってしまったんだけど、ひきこもってた頃に大学時代の先輩から「カウベルを叩いてバンドを助けてくれないか」というなんとも不思議な依頼の連絡がきて、それがきっかけとなってバンド活動を再び続けることができるようになったのだ。
 音楽でもスポーツでもプログラミングでもなんでも良いんだけど、友達と定期的に集まるときは何か一緒に作るものがあった方がいい。何か一緒に活動することがないと、人はすぐに疎遠になってしまうからだ。たまに思い出した頃に集まって飲み会だけして帰る間柄よりも、頻繁に集まって創作活動をしている仲間の方がとても強い結びつきがある。そんな感じで僕も音楽に救われているところが大きい。

 

 Cuba Libre Laboというバンドにこの4月から正規メンバーとして加入することになった。Cuba Libre Laboは結成から10年近く経つ老舗のラテンビッグバンドで、仙台や浜松、池袋などのストリートジャズフェスティバルを中心に出演している。このバンドのいいところは、メンバーのラテン音楽の知識量が豊富なので、ラテン特有のコール&レスポンスがとても心地よくバシッと決まるところだ。
 この動画は去年エキストラメンバーとして乗せてもらった時のもので、画面中央前列左のカラーレンズをかけているのが僕だ。ボンゴという楽器は普通はひざに挟んで演奏する楽器なんだけど、このライブの直前にアメリカから輸入して取り寄せたボンゴ用のスタンドを導入してみたところ、自分の出したい音が出せてとても演奏しやすかったのでびっくりした。打楽器歴10年目でなんだかいきなり飛躍的に上達した気がして、ツールの選択は本当に大事だなと思う。


『CubanoChant』Cubalibrelabo_JOZENJI STREETJAZZ FESTIVAL in SENDAI2016

 

 もう一つバンドをやっていて、Project D.D.T.というラテンビッグバンドにも加入している。主に長野県の斑尾高原でのジャズフェスティバルに出演しているバンドで、前述のバンドと大きく違うのは、ラテン音楽を演奏するんだけれどもメンバーがほとんど4ビートジャズバンドの出身者で構成されているところだ。ラテン音楽の知識をあえて取り入れていないので、ラテンというよりもロックやフュージョンのような火の玉的な演奏になることが多く、それでいてメンバーの力量も高いのでサラダボウル的なバンドでとてもカッコよくて面白い。同じラテンバンドなんだけどCuba Libre Laboとは全く違う演奏の楽しみ方ができて、お得感がある。
 この動画は2年前の動画で、後半に僕がボンゴでソロを取っている場面があります。


P7258165 MadaraoJAZZ2015-K-Off@"J"7.25

 

 こういった感じで他の人たちのバンドに乗せてもらうことが多いんだけど、大学の卒業直前に一回だけ自分がリーダーをやってみたビッグバンドがあった。学生時代に乗っていた別のバンドが2011年3月13日にかなり気合いを込めたライブをやる予定だったんだけど、震災の混乱でライブが出来なくなってしまい、ライブがやりたかった気持ちが宙に浮いてしまった。すっかり意気消沈してしまい別の日にライブをやり直そうかという動きもなくて、何か違う形でそのもやもやした気持ちを昇華出来ないかとずっと考えていて、震災から半年後の学園祭で自分でバンドを立ち上げてみよう、ということになったのがその経緯だった。
 当時の僕は演奏が上手いバンドというのがなぜだかあまり好きじゃなくて、学生時代にプロのライブはほとんど聴きに行った記憶がない。「心は熱く、理論はクールに」という言葉が好きで、音が割れていても音程が無茶苦茶でもいいから、アマチュア特有の気持ちが入った、もしくは気持ちが入りすぎた音がとにかく聴きたくて、そういう音を出してくれる人達が集まったバンドを作ろうと思ったのだ。
 たった1回きり、30分のライブをやって終わったバンドだったんだけど、6年経った今でも感想を言ってもらえることがあって嬉しく思っている。僕自身も当時の録音を聴き直して元気をもらうことがある。無茶なバンドに乗ってくださった当時のメンバーの皆さん、ライブを聞いてくださった皆さん、ありがとうございます。
 2011年当時はライブの録画をネットにアップロードする風習というのがあまりなかったので、メンバーが個人的に録音を持っていただけだったのですが、それでは何かもったいないと思ったので今回YouTubeにアップロードしてみました。もし良かったら聴いてみてください。


msms bigband Live At Cafe Losguara 2011/10/23